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稽古は神聖犯す可からず

「稽古は神聖犯す可からず。」これは、西久保弘道先生「武道講話」の一節である。その一文を紹介しょう。・・・「稽古をやる人に神聖と云う考えがなければならぬのみならず之を観て居る人も亦同様に此考えを持たなければならぬのである。所が只今お話しした様に笑ったり騒いだりして稽古は神聖であると云うことを忘れて居るものがある、甚だしきに至ると稽古をやる者は全く村芝居か宮相撲でもやって居る様な考を有って居るし、又見て居る者は丁度観世物でも見物して居る様な心掛の者が多いのは甚だ以て遺憾な次第である。」私（寺崎邦朗理事長）は、全日本剣道選手権県予選会を始めとした各種予選会で乳飲み子や幼子を連れてきている保護者には、「剣道予選会は、選手の今までの稽古の総決算であり、命がけで臨んでいる予選会であるので、乳飲み子や幼子が騒がぬように、又騒いだら即刻、会場外に出るように￤」と注意しているところである。剣道は、技術の巧拙を評価し表層的な楽しさに一喜一憂する外来スポーツとは、評価の観点や求める楽しさが異なるのである。

佐剣連副会長兼理事長　寺崎邦朗

【西久保弘道】
生年月日
1863年（文久3年）
出生地
肥前国佐賀郡鍋島村
没年月日
1930年（昭和5年）
称号
正四位
勲一等瑞宝章
大日本武徳会剣道範士
全日本剣道連盟剣道殿堂顕彰
大日本武徳会武道専門学校長（第５代）

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