
巷間よく素質論と環境論が論じられることがある。そこで素質を論じるとき、剣道では何が大切な要素であろうか?身体的要素では瞬発力、敏捷性、精神的要素では、集中力、判断力、決断力等が挙げられるであろう。もっと根源的な要素は、飽くなき闘争心、素直な気持ち、稽古をサボることが出来ない気性、人より早く道場へ行かねば気がすまない気性、鍛えられることを好む気性、等々であろう。その様な身体的要素と精神的な要素、更に根源的な要素の持ち主は、すくすくと伸びて行くであろう。しかし、そういう人間は稀である。そこで指導者は、身体的要素や精神的要素よりも根源的な要素を大切にして、技術的な指導にのみ走るのではなく、そのような剣道人気質になるように指導することである。指導者が率先垂範することによる指導である。そうすることにより素質と環境の相乗効果で立派な気風の剣士が誕生するであろう。